スイーツ(デザート)ブーム変遷/年代流行
日本の洋菓子のルーツは、約450年前のカステラや金平糖に代表される南蛮菓子が渡来したことに始まる。こうした菓子が今も息づく一方で、新たなスイーツのトレンドが食シーンを豊かにし、甘い魅惑の世界を広げてる。1970 年代にはパリの『ルノートル』などヨーロッパの菓子の名店がデパ地下に進出。1980 年代には原宿に「焼き立てクレープ」の店が、青山に『ハーゲンダッツアイスクリーム』が登場し、「立ち食い」「行列」が流行に。そして1990 年代、イタメシブームの流れが突破口となり、爆発的なスイーツブームを築いたのは、マスカルポーネチーズを使ったイタリア菓子「ティラミス」だった。
1977年 クレープ
パンケーキの一種で、フランス北西部のブルターニュが発祥の料理。クレープ専門店「カフェ・クレープ1号店(竹下通り)」を原宿に開店。雑誌などに取り上げられることでブームとなり、後に原宿スタイルのクレープとして定着した。
1990年 ティラミス
イタリアのドルチェ(スイーツ)の一種。生クリームを加えたクリーム-チーズと、コーヒーやリキュールをしみこませたスポンジ-ケーキを重ねたもの。 1990年から91年にかけて、日本において一大「ティラミスブーム」が起きた。その当時にメニューに採用し、いまだにメニューとしている喫茶店やレストランも多い。
1991年 クレーム・ブリュレ
卵黄・クリーム・砂糖・バニラを混ぜ、オーブンで湯煎にかけ、冷ましてから砂糖を振ってバーナーなどで焼き色を付ける。イタリア料理ブームに負けじと登場したフランス料理のデザート「クレーム・ブリュレ」 がたちまち人気となった。
1992年 タピオカ
タピオカは熱帯地方のキャッサバの根茎から製造した澱粉(デンプン)のこと。滑らかでプチプチとした口当たりで、ココナッツミルクに加えたデザートとして知られてるようになった。
1993年 ナタ・デ・ココ
ココナッツの汁を発酵させたゲル状のもので、フィリピン発祥の伝統食品。1993年春ごろ大手ファミリーレストランチェーンのデニーズがメニューに加えた事などにより大ブームになった。独特の歯ごたえがある食感をもち、食物繊維が多いのでダイエット食や特定保健用食品としても利用されている。今では各種食品、飲料と組み合わせて、デザートや菓子として売られている。
1994年 パンナ・コッタ
イタリア発祥の洋菓子で、つるりとした口当たりで、食後のデザートとしてもすんなり口に入るが、生クリームが大量に入っているため比較的高カロリー。1993年に森永乳業がカップ入りの量産品を発売し、ブームになった。喫茶店やファミリーレストランのメニューに追加されたほか、家庭でデザートやおやつとして手作りされる。
1995年 カヌレ
"フランス・ボルドー地方の伝統的な焼き菓子。小麦粉・牛乳・バター・砂糖・卵・香料・ラム酒などで作った生地を蜜蝋を塗ったカヌレ型に入れて焼いたもの。"
1997年 ベルギーワッフル
小麦粉、鶏卵、バター、牛乳、砂糖、イーストなどを混ぜ、醗酵させて作った生地を、格子模様などを刻んだ2枚の鉄板(ワッフル型)に挟んで焼き上げた菓子。1997年にオープンした渋谷東口ショップでは、 100人近くの行列を作るほどの大ブームを起こした。
1998年 クイニーアマン
フランスのブルターニュ地方における伝統的な洋菓子の一種である。イーストを使った生地に有塩バターを折りこんで、グラニュー糖を手粉代わりにたっぷりと振りまぶしながら作る。一般的に外側は固めの食感で香ばしく、内側は甘味だけでなく塩気も感じられるものが多い。
1999年 生チョコ
生チョコブームの火付け役となったのはロイズの「生チョコレート」。たっぷりと練り込まれた北海道産の生クリームが、舌の上ですっと溶けていく快感は、一度口にしたらもう忘れられない。北海道の新鮮な生クリームを贅沢に使い、チョコレートにじっくり練りこんでいる。
1999年 エッグタルト
ポルトガルの菓子でパステル・デ・ナタが正式名称。1990年代後半には、シンガポール、マレーシア、香港、台湾で売られるようになり、日本にも上陸し大流行した。コンビニでも売られるようになった反面、本家の味とは似ても似つかない名前だけがエッグタルトと呼ばれる商品がちまたに溢れてしまい、急速に評判を落としてしまった。
2004年 マカロン
卵白と砂糖とアーモンドを使ってオーブンで焼きあげたフランス発祥の洋菓子。つるんとした表面がカシャっと割れて、中からはしっとりとしたアーモンドクリームが現れる。卵白と砂糖をあわ立ててふわっとした生地のまわりに、ピエと呼ばれる足がついているのも特徴。
2006年 生キャラメル
2006年北海道紋別郡興部町のノースプレインファームが牛乳の消費拡大を目指して開発した。ノースプレインファーム代表とタレントの田中義剛が同級生ということで知名度を一気に拡大させた。爆発的なヒット商品となり、入手困難な状態がしばらく続き、購入待ちの長蛇の列ができたり、類似商品の刑事事件などが発生するほど社会現象が起きた。
2006年 クリスピー・クリーム・ドーナツ
2006年12月15日に、東京都渋谷区の新宿サザンテラスにクリスピー・クリーム・ドーナツ1号店が開業。オープンデッキからドーナツ製造工程を見学できるのが特徴である。定番商品は、ハチミツシロップでコーティングされ「表面はカリッ、中はふんわりした食感」が特徴の「オリジナル・グレイズド」。
2011年 パンケーキ
2011年にハワイから上陸し、原宿駅から表参道にパンケーキ専門店が続々オープン。お洒落なもの好きな若い女性を中心に大流行した。ホットケーキと比べて甘味をおさえ、食事に合うような品質に砂糖は使っておらず、水だけで作れるところも特徴。
2013年 ポップコーン
原宿ポップコーンブームの火付け役は、カゴ生まれの「ギャレットポップコーン」とシアトル生まれの「ククルザポップコーン」。様々なフレーバー(味・香)のポップコーンが販売され、人気を博している。
2014年 かき氷
都心にかき氷専門店が登場し人気となった。純氷を薄く削ったフワフワかき氷、マンゴーをたっぷりとつかった台湾風、大人向けにお酒を使ったもの、さらにはなんと1杯5,000円もする高級かき氷など、色んな店舗でさまざまな種類がラインナップされている。
2018年 タピオカ
インスタ映えするパッケージや「歩きながら食べる」という行為そのものがブームとなっている。抹茶やジャスミンティー、ストレートティーなど、ベースとなる「お茶」のバリエーションが増えたことで、タピオカが広く多くの人に受け入れられるようになった。
2019年 バスクチーズケーキ
一般的なチーズケーキに比べて大量のクリームチーズが使われているためずっしり濃厚な味のチーズケーキ。 2019年にローソンが「バスチー」を販売すると、これが爆発的な大ヒットし次々と競合のコンビニでも発売されるようになった。2020年になってさらに加速度的に流行しスーパーや洋菓子店やファミレスなどでも発売され大ヒット商品となった。
2020年 トゥンカロン
韓国で一大ブームになり、日本でもじわじわ人気が高まっている韓国発の進化系マカロン「トゥンカロン」。太ったマカロンという名前の由来の通り通常よりもクリーム量が多く、デザインも色もカラフルでとにかく可愛いのが特徴。種類も豊富でカラフルな見た目がSNS映えするなどの理由からタピオカに続くネクストブームとも言われている。
2021年 マリトッツォ
マリトッツォはブリオッシュ生地にたっぷりの生クリームを挟んだイタリア発祥 のスイーツ。本体はパンの部分だけを指す言葉であるが日本では生クリームが入ったもの全体を指すことが多い。コンビニ各社でも取り扱いされ全国的なブームになった。
2022年 カヌレ
フランス語でカヌレは「溝の付いた」という意味で、その名の通り溝の付いた専用の型を使って焼くフランスの伝統的な焼き菓子。この型に蜜蝋を塗って焼くことで、外側が香ばしくカリカリとした食感で内側はしっとり柔らかになる。1995年頃に一度流行ったスイーツが再度ブームとなった。