百貨の魔法/年代流行
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- 発売日:2017年10月5日
- 著者:村山 早紀
- 出版社:ポプラ社
- ジャンル:ファンタジーフィクション
- ページ数:376ページ
【解説】
時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは?」と噂が飛び交う星野百貨店。エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける―。百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語!
【あらすじ】
創業50年を迎える星野百貨店は、昭和の家族的な雰囲気を持つどこかなつかしい感覚を抱かせます。かつて子どもたちを夢中にした屋上遊園地、顧客をもてなすエレベーターガール......。もちろん従業員の待遇も例外ではなく、従業員用の食堂が昼夕無料、社内イベント多数など手厚い福利厚生のおかげで、従業員も和気あいあいと働く職場環境でした。それは社内結婚の多さにも如実に表れていました。
しかし、百貨店不況の影響は星野百貨店も避けられず、10数年前から経営が傾きます。東京の大手百貨店の系列入りするも、旧経営陣は人員削減の要求や手厚い従業員への処遇の切り捨てを受け入れませんでした。とうとう「閉店が近いのでは?」と衝撃的な噂が飛び交うようになります。
そうした中、星野百貨店七不思議のひとつ「夢を叶える魔法の猫」が店内に住むという逸話が従業員の間で話題になり、猫がいたとしたら何を願うのか考えをめぐらします。
明るく元気なエレベーターガール松浦(まつうら)いさな、仕事に熱いプライドを持つテナントの靴店主・百田咲子(ももたさきこ)、時計や宝飾品を扱うフロア責任者の佐藤健吾、別館にある風早郷土資料室に勤める早乙女一花(さおとめいちか)。それぞれが猫をきっかけに、百貨店の思い出や自分の過去を回想しながら、店を守る決意を新たにします。