映画篇/年代流行
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- 発売日:2007年7月1日
- 著者:金城一紀
- 出版社:新潮社
- ページ数:363ページ
【解説】
「太陽がいっぱい」「ドラゴン怒りの鉄拳」「恋のためらい フランキーとジョニー」「ペイルライダー」「愛の泉」の名作映画をモチーフに、不器用で孤独な人々が映画をきっかけにつながり合い、力強い再生へと踏み出していく姿をみずみずしく描きながら、映画への愛と物語の復権を高らかに謳った傑作小説集。
【あらすじ】
■太陽がいっぱい
「ぼく」と友達は、子供のころから映画が好きという共通項だけで友達になっていた。ふたりで映画館に行き、映画の後に、あれこれと話しをする日々。
しかし、「ぼく」は日本の高校に進み、友達は朝鮮民族の高校に進み、次第に疎遠になっていく。しかも、友達は、悪い仲間、悪い先輩とつき合いを深め、高校を中退して、悪い仕事をしているという噂も入ってくる。やがて、中年になった「ぼく」は小説家になり、自分の書いた小説が映画化されることになる。
■ドラゴン怒りの鉄拳
製薬会社勤務の夫が突然の自殺を遂げた後、マンションの一室にずっと引きこもっている妻。ある日、夫が借りていたレンタ
ル・ビデオの返却督促の電話を受けたことをきっかけにして、外へと踏み出していく。
■恋のためらい
高校生男子が、唐突に話しかけてきた隣の席に座る女子と、ある薬害事件に関わっている女子の父親である弁護士の金を持ち逃げする。
■ペイルライダー
いじめられっ子である少年が、ハーレー・ダビットソンに跨る黒いスーツのおばさんライダーと、束の間の旅をする。
■愛の泉
おじいちゃんに先立たれたおばあちゃんが、このところ、めっきり弱ってきている。孫たちは、おばあちゃんを元気付けるために、昔、昔に、おばあちゃんがおじいちゃんと観た映画を探し出し、おばあちゃんのために上映会をしようと企画する。