さくら/年代流行
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- 発売日:2005年2月23日
- 著者:西加奈子
- 出版社:小学館
- ページ数:384ページ
【解説】
彼らは少し風変わりな五人と優しい一匹。色とりどりの春と、屈託のない夏と、センチメンタルな秋と、静かな冬、彼らに巡ってくる、そして誰にでも巡ってくる季節の、そしてその中で起こった小さな、でも、かけねの無いある「奇跡」の物語。
【あらすじ】
ヒーローだった兄ちゃんは、二十歳四か月で死んだ。超美形の妹・美貴は、内に篭もった。母は肥満化し、酒に溺れた。僕も実家を離れ、東京の大学に入った。
あとは、見つけてきたときに尻尾にピンク色の花びらをつけていたことから「サクラ」と名付けられた十二歳の老犬が一匹だけ。そんな一家の灯火が消えてしまいそうな、ある年の暮れのこと。僕は、実家に帰った。「年末、家に帰ります。おとうさん」。僕の手には、スーパーのチラシの裏に薄い鉛筆文字で書かれた家出した父からの手紙が握られていた―。