4TEEN/年代流行
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- 発売日:2003年5月22日
- 著者:石田衣良
- 出版社:新潮社
- ページ数:352ページ
【解説】
第129回直木賞受賞作。続編に本作の2年後を描いた『6TEEN』がある。
【あらすじ】
■びっくりプレゼント
ウェルナー症候群(早老症)のナオトは体調を崩し入院していた。
テツロー・ダイ・ジュンの3人は誕生日の近いナオトに最高のプレゼントをしようと意気投合する。
お年玉の残りを出し合って3人が決めたプレゼンントは、援助交際の女子高生をナオトの病室に連れて行こうというものだった。
■月の草
登校拒否で学校に来なくなってしまった同級生・ルミナのところに、住んでいるマンションがとなりという理由だけでテツローは学級通信や宿題のプリントを届ける役目になってしまった。
拒食症により、すっかり変わってしまったルミナにテツローはプリント届けを続ける。
やがて学校に戻ることを決意したルミナは今度は完全な過食症になっていた。
■飛ぶ少年
やたらと大ボラをでっちあげたり、出し物を考え披露し、みんなの気を引こうとする同級生・ユズルに妙に気に入られてしまったテツローは困り果てていた。
クラスメートから、口ばかりで大したことができないと責められたユズルは「空を飛べる」と発言してしまい、周りからはやしたてられ本当に階段から飛び降りてしまう。
■十四歳の情事
最近ジュンの行動が怪しいと感じていたテツロー・ダイ・ナオトの3人はジュンを問い正したところ、不倫サイトで知り合った人妻の家に出入りしているという。
しかし真相は、実際不倫しているのではなく、夫からDVを受けている彼女の相談を受けているだけだったことを聞いた3人は、ジュンと共に暴力を振るうその男と話をつけることを決意する。
■大華火の夜に
4人は近く行われる東京湾大華火祭の特等席として、昨年使った埠頭の工場の下見に向かうが、そこで工場内に横たわる1人の老人と出会う。
老人は病院を抜け出した尋ね人として、最近あちこちの電柱に張り紙をされている当人のアカサカという人物だった。
1人で静かに人生の幕を閉じたいと切望するアカサカに対し、4人は通報すべきかどうか頭を悩ませる。
■ぼくたちがセックスについて話すこと
立ち居振る舞いやファッションが女性っぽいクラスメート・カズヤは、ある日クラス一の美少女・イズミに告白されるが、何のためらいもなく振ってしまう。
それを機にカズヤに対しホモセクシャルではないかという噂が乱れ飛ぶが、逆にカズヤは自分がホモであると堂々と宣言してしまう。
■空色の自転車
ダイが警察に補導された。
アル中で家庭内暴力がひどい父親が寝入ったあと、路上に引きずり出し放置した結果、凍死してしまったのだ。
児童相談所から帰ってきたダイは、学校でも札付きの不良グループの仲間になってしまう。
3人はダイを元に戻すため、不良グループのヘッドと交渉する。
■十五歳への旅
4人は春休みのイベントとして、親には房総半島への自転車旅行と偽り、実は新宿で2泊3日を過ごす計画を練る。
ホームレスに混じっての野宿や、ストリップ鑑賞、アダルトショップでの買い物、家出少女との出会いなどを経験した後、岐路につく際に、1人ずつ自分の抱える悩み事や考えていることなどを吐露していく。