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64(文庫本)/年代流行

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64
  • 著者:横山秀夫
  • 発行日:2015年2月6日
  • 出版社:文藝春秋
  • ジャンル:推理小説
  • ページ数:355

【解説】
「D県警シリーズ」の第4作目にしてシリーズ初の長編。平成へと年号が変わる直前の昭和64年に起きた未解決の誘拐事件「ロクヨン」をめぐり、県警警務部の広報官を主人公に警察内部の対立や県警記者クラブとの衝突などを浮き彫りにしていく。2016年に前後編で映画化。

【あらすじ】
わずか7日間で幕を閉じた昭和64年(1989年)、D県警管内で7歳の少女・雨宮翔子が誘拐され、殺害される事件が起こった。当時、捜査一課特殊犯捜査係に所属していた三上義信も追尾班として初動捜査に加わり、犯人から要求された2000万円の身代金を運ぶ父親の車を追った。だが犯人の方が上手で、身代金はまんまと奪われ、5日後に翔子の遺体が無惨な状態で発見される。昭和天皇の崩御で悲しみに暮れると共に、新元号「平成」の制定で新しい時代の幕開けに色めき立つ世間とは裏腹に、幼い少女の死と遺族の慟哭を目の当たりにしたD県警は、平成の世に紛れた犯人を逃がすまいとこの事件をロクヨンという符丁で呼び解決を誓うが、遺族に吉報がもたらされないまま時は過ぎ、捜査本部は専従班に縮小され、名ばかりの継続捜査状態となっていた。
平成14年(2002年)、捜査二課次席まで出世していた三上は、突然警務部への異動を命じられ、広報官に任じられる。2年で刑事に戻るつもりで仕事に邁進し広報室の改革を目指すが、赤間警務部長からは上が決めたことを伝える窓口になり、自分が考える必要はないと忠告され、三上もある理由からそれに従わざるを得なかった。三上には元ミス県警の美しい妻・美那子と高校生の娘・あゆみがいる。だが、あゆみは父とよく似た醜い自分の顔と美しい母の顔を憎むようになり、高校を不登校がちになり、ついには部屋に引きこもるようになってしまっていた。カウンセリングを受けさせるなどして、状態は徐々に良い方向へ向かっているかに思えたが、整形を反対されたあゆみが家出してしまう。あゆみの捜索を全国の警察に口利きしてくれたのが他ならぬ赤間で、事あるごとにあゆみの件を持ち出し、自分の意に従わせようとする赤間の言動に、三上は苛立ちを禁じえない。そんな中、自宅にかかってきた無言電話があゆみからのものではないかと美那子が気に病み、再びかかってくることを期待し、美那子までもが引きこもり同然になってしまう。

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