1980年代 人気女性アイドル/年代流行
1980年に松田聖子が大ブレイクを果たし、1982年には中森明菜や小泉今日子がデビューし、女性アイドルの黄金時代となった。彼女たちのような正統派から、邪道とされたおニャン子クラブまで様々なタイプが現れ、1980年代の後半には、工藤静香、中山美穂、南野陽子、浅香唯の4人が「アイドル四天王」と呼ばれた。
松田聖子
1962年3月10日福岡県生まれ。1980年に「裸足の季節」でレコードデビュー。
トレードマークであったヘアスタイルの「聖子ちゃんカット」や、「ぶりっ子」など新しいアイドルとしての生き方に関しても多くの話題を集めた。1980年の「風は秋色」から1988年の「旅立ちはフリージア」まで24曲連続でオリコンシングルチャート1位を獲得。1990年代以降は作詞、作曲にも携わりシンガーソングライターとして活動している。
薬師丸ひろ子
1964年6月9日東京都生まれ。角川映画『野性の証明』のヒロイン役オーディションに合格。
映画「セーラー服と機関銃」に出演し、主題歌「セーラー服と機関銃」が大ヒット。1982年にはブロマイドの年間売上実績で1位になり、名実共にトップスターになった。原田知世・渡辺典子と共に「角川三人娘」と呼ばれ、角川映画の看板女優として活躍した。
小泉今日子
1966年2月4日神奈川県生まれ。1981年オーディション番組『スター誕生!』で合格。
1982年「私の16才」でアイドル歌手としてデビュー。1985年発売のシングル「なんてったってアイドル」は、それ以前のアイドルでは無かったことであるが、自らアイドルと称していることで話題になった。CMで小泉を起用した商品は売れ、「初代CM女王」とも称された。
中森明菜
1965年7月13日東京都生まれ。1981年オーディション番組『スター誕生!』で合格。
1982年にシングル「スローモーション」でデビューし、2枚目のシングル「少女A」がヒット。1985年の「ミ・アモーレ」と1986年の「DESIRE -情熱-」で2年連続日本レコード大賞を受賞。1985年から1987年のレコード・セールスでは3年連続でトップを記録する。1990年以降は女優としても活躍した。
松本伊代
1965年6月21日東京都生まれ。1981年に『たのきん全力投球!』でデビュー。
1982年「センチメンタル・ジャーニー」のヒットで、第24回日本レコード大賞新人賞を受賞。1986年からは、「恋愛三部作」をリリースし女性に支持を得る路線にシフトしていった。
早見優
1966年9月2日静岡県生まれ。 1982年「急いで!初恋」でデビュー。
1983年「夏色のナンシー」がヒットし「第34回NHK紅白歌合戦」にも初出場した。7歳から14歳までハワイで育ったため、帰国子女アイドルの先駆けとして「バイリンギャル」と称された。サバサバとした性格と健康的な小麦色の肌が特徴的。
石川秀美
1966年7月13日千葉県生まれ。1981年「HIDEKIの弟・妹募集オーディション」に合格。
1982年に「妖精時代」で歌手デビューし、各音楽祭で新人賞を獲得する。当初の楽曲はアイドルポップスが中心だったが、1986年頃からロック系統の音楽に傾倒していった。23歳の時に薬丸裕英との交際が報道され、アイドル同士の恋愛として話題になった。
堀ちえみ
1967年2月15日大阪府生まれ。1981年ホリプロタレントスカウトキャラバン優勝。
1982年に「潮風の少女/メルシ・ボク」で歌手デビュー。1983年にドラマ『スチュワーデス物語』に主演。劇中での「教官!」「ドジでノロマな亀」のセリフは当時の流行語になり、1984年に新語・流行語大賞の大衆賞を受賞した。1987年3月、20歳の誕生日を迎えた直後に電撃引退。
原田知世
1967年11月28日長崎県生まれ。1982年『角川・東映大型女優一般募集』オーディション特別賞を受賞し芸能界入り。『セーラー服と機関銃』で女優と歌手デビューも果たす。1983年『時をかける少女』で映画初主演。同映画の主題歌「時をかける少女」は、シングル売上50万枚を超え、自身最大のヒット曲となった。その後も角川映画に多数出演し「角川三人娘」と呼ばれた。
菊池桃子
1968年5月4日東京都生まれ。スカウトで芸能界り。
1984年の映画、『パンツの穴』でヒロインを演じ、『青春のいじわる』で歌手デビューを果たす。第26回日本レコード大賞新人賞受賞、ブロマイドの年間売上が1位になりトップアイドルとなった。ささやく様な独特の歌唱、普段着の様な衣装と大きな振り付けの無いスタイルは当時としては異色だった。
おニャン子クラブ
テレビ番組『夕やけニャンニャン』から誕生し1985年4月デビュー。実質2年半の活動期間であったが世代を超えて多くの支持を集めた。それまでの高嶺の花的なアイドルとは異なり、身近でひょっとしたら手が届きそうと思わせる親近感が魅力であった。メンバーをソロデビューさせたり、番組内のオーディションなどにより、メンバーを追加したりするなど、アイドルの新たな売り方を示した。
中山美穂
1970年3月1日東京都生まれ。中学1年生の時に原宿でスカウトされ芸能界入り。
1985年『毎度おさわがせします』のツッパリ少女のどか役でドラマデビュー、シングル「C」で歌手デビュー。第27回日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。1987年にはブロマイド売上枚数が女性部門でトップになる。女優としても「月9」ドラマなど数々のドラマに主演し、高視聴率を記録。月9においては主演が7作品と、女性では最多を記録している。
南野陽子
1967年6月23日兵庫県生まれ。高校在学中にオーディションに合格し芸能界入り。
1985年「恥ずかしすぎて」で歌手デビュー。1985年ドラマ『スケバン刑事』シリーズの主役を演じ、一躍ブレイクしトップアイドルとなった。1987年2月公開の映画『スケバン刑事』に主演。主題歌の「楽園のDoor」で初のオリコンチャート第1位を獲得する。その後も8曲連続オリコン1位を記録。またフジカラー、グリコ、JR西日本など多数のCMにも出演。
浅香唯
1969年12月4日宮崎県生まれ。1984年「ザ・スカウトオーディション」でグランプリ受賞。
1985年「夏少女」で歌手デビュー。1986年ドラマ『スケバン刑事』に三代目麻宮サキ役で出演しブレイクを果たす。カネボウ化粧品のCMに出演し、そのキャンペーン・ソング「C-Girl」が大ヒット。「アイドル四天王」と称され、歌手、ドラマ、映画、そしてCMにも多数出演した。
酒井法子
1971年2月14日福岡県生まれ。1985年オーディション企画で芸能界入り。
テレビ番組『モモコクラブ』にレギュラー出演し、番組の中心メンバーとして人気を博す。この時期から自身を「のりピー」と呼び、同時に「のりピー語」を用いるようになった。1987年『男のコになりたい』で歌手デビュー。1990年頃から台湾、香港、中国でもコンサートを行うなど活躍した。女優としても 『ひとつ屋根の下』『星の金貨』が立て続けにヒットした。
国生さゆり
1966年12月22日鹿児島県生まれ。1985年おニャン子クラブの一員としてスカウトされデビュー。1986年『バレンタイン・キッス』でソロデビューし約30万枚のヒットとなった。おニャン子主体のドラマにも主役格で出演するようになり、瞬く間に中心メンバーへと成長した。その後女優としても多数のドラマにレギュラー出演した。
渡辺満里奈
1970年11月18日東京都生まれ。1986年おニャン子クラブとしてデビュー。
デビュー早々より人気を得て、中期から後期にかけてのおニャン子クラブの主力メンバーとなった。ソロデビュー曲「深呼吸して」は、当時のオリコン初登場1位最年少記録。おニャン子クラブ解散後も歌手としてアイドル番組やバラエティーなどに出演した。
工藤静香
1970年4月14日東京都生まれ。1984年「ミス・セブンティーンコンテスト」に出場し、特別賞を受賞。1985年CBSソニーからレコードデビュー。
1986年におニャン子クラブの一員になり、「バカキャラ」や「ヤンキーキャラ」で注目されるようになる。1987年「禁断のテレパシー」でソロデビューし、オリコン1位を記録。以後、1980年代後半から1990年代前半に渡りヒット曲を連発した。
Wink
鈴木早智子と相田翔子の二人組。雑誌『Up to Boy』のミスコンテストで入賞しデビュー。
1988年にWinkを結成し、同年4月「Sugar Baby Love」でCDデビューを果たした。1989年、「愛が止まらない 〜Turn It Into Love〜」で全日本有線放送大賞グランプリを受賞。同年「淋しい熱帯魚」で、日本レコード大賞を受賞し、NHK紅白歌合戦への出場を果たした。控えめなキャラクターで無表情に歌い、オルゴール人形のような衣裳で純真さをイメージさせた。