天地明察 下(文庫本)/年代流行
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- 著者:冲方丁
- 発行日:2012年5月18日
- 出版社:角川書店
- ジャンル:時代小説
- ページ数:290
【解説】
「この国の老いた暦を斬ってくれぬか」会津藩藩主にして将軍家綱の後見人、保科正之から春海に告げられた重き言葉。武家と公家、士と農、そして天と地を強靱な絆で結ぶこの改暦事業は、文治国家として日本が変革を遂げる象徴でもあった。改暦の「総大将」に任じられた春海だが、ここから想像を絶する苦闘の道が始まることになる―。碁打ちにして暦法家・渋川春海の20年に亘る奮闘・挫折・喜び、そして恋。
【あらすじ】
安井算哲は、将軍に囲碁を教える名家の息子として生まれ、自分の好きな算術や星の観測に熱中しているときは、周りが見えなくなってしまう。江戸城登城の朝、算哲は金王八幡宮に寄り道し、境内に掲げられた算術の設問の前に座り込むや夢中で解き始め、帯を握った女性が声を掛けても立ち上がらない。算哲は、時の鐘の音に驚いて走り出す。短い間に、関孝和が全ての設問に解答し、新たな設問まで掲げていた。
江戸城では、算哲は本因坊道策と家綱の前で、過去の対局を披露する。ところが、道策は算哲に真剣勝負をもちかける。算哲は、誰も見たことのない初手を指す。たちまち怒声が飛ぶが、退屈な儀式に飽き飽きしていた将軍はこれを許す。その時、暦にない日食が始まり、蝕は不吉とされるため、儀式は中止となる。