• 著者：太宰治
• 発行日：1990年11月20日
• 出版社：集英社
• ジャンル：中編小説
• ページ数：212

【解説】
他人の前では面白おかしくおどけてみせるばかりで、本当の自分を誰にもさらけ出す事の出来ない男の人生（幼少期から青年期まで）をその男の視点で描く。

【あらすじ】
「自分」は人とは違う感覚を持っていて、それに対して混乱し発狂しそうになる事がある。なのでまともに人と会話が出来ない「自分」は、人に対する最後の求愛として道化を行う事を覚えた。結果的に「自分」人の営みというものは分からず孤独を選んでいた。
中学校時代、「自分」は道化という自らの技術が見抜かれそうになり不安になる。その後、東京の旧制高校に進んだが、学校にはほとんど通わず、人間への恐怖を紛らわすために悪友堀木により紹介された酒と煙草と淫売婦と左翼思想とに浸った。
しかし急激に環境が変わるにつれて様々なしがらみから逃れがたくなり、自分に好意を寄せていた銀座に勤めるツネ子と鎌倉の海で心中未遂事件を起こす。