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植物図鑑(文庫本)/年代流行

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植物図鑑
  • 著者:有川浩
  • 発行日:2013年1月11日
  • 出版社:幻冬舎
  • ジャンル:恋愛小説
  • ページ数:425

【解説】
思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。樹という名前しか知らされぬまま、週末ごとにご近所を「狩り」する、風変わりな同棲生活が始まった。
読者と書店員が選ぶ「みんなの幻冬舎文庫(書店編)」第1位や「第1回ブクログ大賞」小説部門大賞を受賞。2016年、高畑充希・岩田剛典(三代目 J Soul Brothers)のW主演で実写映画化。

【あらすじ】
ある冬の晩。終業後の飲み会から自宅マンションに帰ってきたさやかは、マンションの前で行き倒れている1人の男を見つける。所持金が尽き、困窮極まっていたその男は「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」「咬みません。躾のできた良い子です」と、さやかに一晩の寝床と食事を求めてきた。自分を捨て犬になぞらえたその物言いを面白がったさやかは、つい彼を部屋に上げてしまい、カップラーメンと風呂場を提供することにした。
翌朝鼻をくすぐる料理の匂いで目覚めたさやかは、使えるものはないと思っていた冷蔵庫の有り合わせだけで男が朝食を作っていたことと、その味に驚く。出て行こうとする男が惜しくなったさやかは、「行くあてがないなら、ここにいたらいい」と、無理矢理引き止める。条件は寝床の提供と生活費の管理権、それに家事全般をこなしてもらうこと。男は躊躇したものの、そもそも困窮していたことは確かだったこともあり、しばし考えてその提案を受けた。男は「イツキ」と名乗ったが、それ以外は話してくれない。問い詰めることでイツキが去ってしまうことを想像してしまったさやかは、何も聞かなかった。
それからひと月が経ち、春先になった。イツキが近くのコンビニで平日深夜のアルバイトを始め、ふたりがルームシェアに慣れてきたころ、さやかは仕事のミスが重なりひどく荒れていた。見かねたイツキは「近所の河川敷を散歩しないか」とさやかを誘う。イツキの「趣味」でもある野草採集のためであったが、都会っ子であったさやかには、それが新鮮に感じられた。自分で採取し、イツキが料理した、ふきのとうの天ぷらやふきの混ぜご飯、つくしの佃煮。自分の趣味につき合わせたことや、それが面白かったのかどうかを気にしていたイツキに、さやかはまた連れて行ってほしいとねだる。普段の暮らしや狩りを通じて、さやかはイツキを意識していった。

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